ニット製品とASEAN (東南アジア諸国連合)の関係 ~2工程ルール~
- ニット製品の輸出入
- 投稿日:
- 2015-12-22
- (更新日:2020-06-27)
こんにちは。丸安毛糸の前田です。
2015年最後のブログは、今年アセアン地域からの輸入で学んだキーワード ”2工程ルール” に触れたいと思います。
日・ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定 とは? (ASEAN : 東南アジア諸国連合)
前回お話しした 2国間のEPA に対し、複数国との間での経済連携協定です。
現在10か国が加盟しているアセアンの複数国での
経済・社会・政治・安全保障・文化に関する地域協力機構です。
※ 中国が含まれていないところが、中国生産のニットに関わりのある私達にとって気を付けなければならない点があります。
ニット製品と日・ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定
前回の2国間のEPA 同様、ニット製品を日本へ輸入し税関へ条件を満たした原産地証明書を提出し、受領されると、関税が無税になります。
原産地証明書を取得条件のなかの一つ。 ニットの2工程ルール
主な条件は、
締結国内で生産されたもの。
さらにニット製品は (2国間のEPA と同様に、)
締結国内で2工程必要
↓ ↓ ↓ ↓
毛糸 → 編立 → 縫製
1つ目の工程 2つ目の工程
この2つの工程を締結国内でする必要があります。
<材料から「糸」、「糸」から「布」、「布」から「縫製品」へと物理的な変化が明確>が条件
※ 編地から製品への縫製だけでは、1工程となり適応外です。
繊維製品で、気を付けなくてはならない点
アセアンには中国は含まれていません。
なので、締結国でない中国から生地を入れて縫製だけでは 1つのみの工程となり、2工程ルールを満たしません。
織製品には要注意です。
※ ニット製品は
① ②
アセアン外の糸 → アセアンで編立 → 縫製
1つ目の工程 2つ目の工程 となるので OK.
終わりに
原産資格は複雑な内容で、その都度の内容確認が必要な案件。
このように、ブログを書きながらも、勉強になり、また今後も協定は増えていくような様子….
緩和の動きになっているようにも・・・・
今後も変更が予想され、その都度の確認や学びが大切だと感じました。
では、また。
良いお年を。