化学繊維(半合成繊維)

  • 繊維と糸

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ジャパン・ベスト・ニット・セレクション(JBKS)

早いもので今年も残すところわずかとなりました。弊社の今年のイベントもジャパン・ベスト・ニット・セレクション(JBKS)と、地元両国でのイベント 元禄市を最後に皆様のご協力を頂き無事終了をすることが出来ました。JBKSでは日頃よりお取引をさせて頂いていますお客様に盛り上げて頂き、そして新しい出会いがあり、再会もありました。

元禄市ではニットを愛されている多くのお客様においでいたき感謝を申し上げます。

皆様は今年一年を振り返り、どのような年になりましたでしょうか。

こんにちは丸安毛糸の田崎です。今回もお付き合いをお願いいたします。

 

今回は化学繊維の中の半合成繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックスに付いて書いていきます。

 

半合成繊維とは

半合成繊維はセルロースやタンパク質などの天然高分子物質に化学薬品で処理をしたものを半合成繊維と言います。

再生繊維のレーヨンに化学物質を加えることで、レーヨンよりも強い素材を作り出した繊維と言えます。

 

アセテート

アセテートの原材料はレーヨンと同じ木材(パルプ)の天然セルロースに酢酸を化学的に結合をさせ、液状の酢酸セルロースにしてから糸に仕上げます。

セルロースが再生繊維で酢酸が合成繊維になり、合わせることにより半合成繊維になります。

特徴としては、シルクのような光沢があり、軽くしなやかで適度な吸湿性と速乾性があります。

欠点に付いては、強度が弱く、高温で軟化、溶解をしてしまいます。

 

トリアセテート

アセテートの違いは、アセテートの製造工程の途中から別の製法で作られ、アセテートより酢酸を多く入れるため、より合成繊維に近くなります。

特徴や欠点に付いてはアセテートとほぼ同じですが、酢酸を多く入れることにより、アセテートよりハリやコシがあります。

 IMG_20151216_125555アセテート62% ポリエステル38%

 IMG_20151216_125615アセテート80% ナイロン20%(カベ撚り)

 

プロミックス

プロミックスの原材料は動物性たんぱく質の牛乳に合成物質のアクリロニトリルを化学的に液状で結合をさせてから繊維にします。

現在では生産をされておらず、現在ある原料が無くなると終わってしまう素材です。

特徴は、シルクと同じように動物性たんぱく質で作られていますので、化学繊維の中で最もシルクに似た素材で、光沢があり柔らかくしなやかな風合いで、シルクより軽く、適度な吸湿性もあり、強い素材です。

欠点は、湿気があるとカビやすく、高温で焦げてしまいます。最大の欠点は,100gの繊維を作るのに1.4リットルの牛乳を使いますので、その単価の高さにあると思われます。

IMG_20151215_174527無くなり行く繊維、プロミックス

まとめ

日新月歩で化学が進んでいますので、新しい素材も増えて行きますが、無くなってしまう素材もあります。

古いものは無くなってしまうものと考えるのはさみしいことですが、ただ私達にできることは今ある物を理解し、特徴を活かし、組み合わせたりして使用をしていくことの大切さを感じます。

 

今年最後のブログになりますが、一年間お付き合いを頂きありがとうございました。また来年も書き続けますのでよろしくお願いいたします。

 

来年も、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします。